天地いっぱいの働きをいただいて
イタリアのアッシジで開かれた世界宗教者平和会議に招かれたときのこと。基調講演をしようと立ち上がった瞬間、懐中時計を大理石の床に落としてしまいました。長短二つの針を押さえていたピンが飛んで動かなくなってしまったのです。
吹けば飛ぶような極小のピンが時計全部の働きを一身に背負っていたことにハッとしました。もちろん、その逆もしかり。たとえ、ピンが万全の働きをしても、部品のどれか一つが故障したら時計は決して動きません。
小さなピンが与えられた役割をしっかりと務められる背景には、時計を構成するすべての部品の総力をあげた働きがあるのです。
私たちの生命も同じこと。眠っている間も心臓は動き、呼吸は続いています。全部で37兆個といわれる細胞が総力をあげて一人の人間を生かすことにかかりっきりになっている。なんとまあ、すごいことでしょうか。