あれこれと思い悩んだ舞子は、ちょうど惣菜を持って訪ねてきてくれた英子に悩みを打ち明けた。その悩みに対する英子の答えが、「古い中傷」だった。舞子はそんな英子の反応に驚き――献身的に家族の世話を焼く姿が印象に残っていたため、義母はきっと子育てに関しても、母親は献身的であればあるほどいいと考える人だと思っていた――同時にふと、肩の力が抜けるのを感じた。
そうか、そんなに昔からある中傷なのか。なら、真に受けなくてもいいか。舞子は不安をそっと遠くへ押しやり、保活を再開した。
義母の古希の贈り物を適当に選びたくないのは、あのとき英子が、自分を助けようとしてくれたと感じているからだ。関わった時間は決して長くないが、義理の娘が子育てへの不安で視野を狭めないよう、守ってくれた。その親切に報いたい。
食べ終わったコロッケの紙包みをゴミ箱へ放り、舞子は常にバッグに入れてあるウェットティッシュで両手をふいた。独身の友人の前で取り出すたび、「お母さんっぽい!」と面白がられるウェットティッシュ。きっと英子も、長い間似たようなものを持ち歩いていたはずだ。
