レモングラスが前頭葉の血流をアップ
そもそも香りとは、きわめて小さな揮発性の分子のこと。それが鼻の中の嗅細胞にある、匂いを認識する「嗅覚受容体」にくっつくと、電気信号が発生。その信号が「匂い」の情報を受けとる脳の領域「嗅球(きゅうきゅう)」に伝わって香りを感じます。
こうして脳に届けられた香りの情報は、音や視覚、肌への刺激などと同じように処理され、記憶として格納されたりするのです。
植物の香りには、大脳辺縁系や前頭葉など脳の特定の部位を活性化させるものが存在します。大脳辺縁系など脳の中枢部は、記憶や感情を管理する海馬(かいば)や扁桃体をはじめ、人間の生命維持に欠かせない自律神経系の活動を司る視床下部がある場所。また、前頭葉は理性的な判断や論理的な思考、意欲や集中力など感情や情動行動をコントロールする場所です。
認知症や認知機能が衰え始めている人の脳では前頭葉の血流の低下がみられることからも、これらの部位は認知能力に大きく関係していることがわかっています。そのため、日本でも認知機能改善に香りを活用する医療現場や高齢者施設が増えてきているのです。
ただし、活性化させるだけでは脳本来の機能に近づけることはできません。自律神経系の交感神経によって脳を活性化させることと、副交感神経によって脳をリラックスさせることの両方が重要です。