脳の血流が増加し、交感神経が優位になると、やる気や集中力は高まるものの、興奮状態が続けば血管や心臓に負担がかかり免疫力は低下してしまいます。そのため、良質な睡眠によって副交感神経を優位にさせ、脳を休める必要があるのです。
また、睡眠時に記憶の定着や脳の老廃物の代謝などが行われるため、良質な睡眠は欠かせません。
交感神経を優位にする香りのなかでもおすすめなのが、「レモングラス」です。私たちの研究グループは、高齢者施設の食堂で昼の2時間だけ、16週間にわたりレモングラスの香りの散布を行う調査を実施しました。
すると3ヵ月後に、利用者の記憶などの知的機能、怒りっぽさなどの感情機能、ひとりでトイレへ行けるようになるなどの運動機能の向上が多くみられたのです。また、レモングラスには前頭葉の血流を増やす効果があることも突き止めました。
香りの大きな特徴は、私たちが匂いを感じる速度からもわかるように、脳へ作用する際の時間の短さです。しかし、嗅覚は加齢によって衰えることに加え、アルツハイマー型認知症は嗅覚障害をともなうケースが多いことがわかっています。
でも、大丈夫。嗅神経細胞は高い再生能力を持っているため、香りを嗅いで脳に刺激を与えることで回復させることは可能なのです。