そのうえで、帯状疱疹についてみていきましょう。これは体内に潜んでいる水疱瘡(みずぼうそう)ウイルスによって引き起こされる皮膚疾患です。『婦人公論』世代は、子どもの頃に水疱瘡にかかった方が多いと思われます。水疱瘡の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスは、病気が治った後も死滅せずに体の奥にある神経節という神経の根元に潜伏しているのです。
そのウイルスが、老化や疲労、ストレスなどにより免疫機能が低下して活性化すると、神経の中を移動し、皮膚に出てきて炎症を起こす――これが帯状疱疹です。体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う発疹が帯状に現れるという特徴があります。
この病気は、発症時に皮膚に強い痛みやしびれを生じるだけでなく、症状が治った後も神経の損傷が残り、神経痛の原因となる場合があるのです。年齢が上がれば上がるほど、この帯状疱疹後神経痛(PHN)が発症しやすくなることも明らかに。
まさにこれが、相談者さんが悩まされている痛みの原因です。PHNによる強い痛みで、うつ症状を生じる方もいます。ですから、決して相談者さんが痛みに弱いわけではないのです。
痛みは数週間で治まることもあれば、数年間続く場合も珍しくありません。そして、神経痛が長期に続くと、脳が痛みを増幅させる回路を学習してしまうことが。これが「敏感すぎる」と言われるほどの状態になっている原因と思われます。
つまり、痛みを強く感じるのは相談者さんの性格や根性の問題ではなく、自然な生理現象なのです。
