痛くない刺激を取り入れて神経の回復を待つ
これからは、「痛みに強くなること」ではなく、「痛みと脳の関係を少しずつ変えていく」ことが大切です。病院での治療と並行して、皮膚をなるべく刺激しない素材の衣服を着たり、やわらかいタオルを使ったり、心地よい香りを活用したりするなど、痛くない刺激を意識的に取り入れるようにしましょう。
家事を休むことも治療と考えてください。十分な睡眠を取り、過剰な不安やストレスを取り除くように努めましょう。
栄養バランスのよい食事を心がけるのも、神経の回復を促すために大切です。とくに、ビタミンB12は損傷した末梢神経を修復する作用があります。シジミやアサリなどの貝類、サバやイワシなどの青魚、レバーや卵黄などに多く含まれますので、積極的に摂ってください。
ところで現在、相談者さんは何科の病院に通院なさっているのでしょうか? 一般に、帯状疱疹は皮膚科の診療科目ですが、帯状疱疹後神経痛は神経の痛みですから、ペインクリニックや痛みの外来など、痛みを専門に扱う病院を検討するのもいいでしょう。
また薬を5種類も内服しているとのことですが、薬の組み合わせや用量が整理されないまま増えている場合、効果を感じにくくなることもあります。一度、処方内容を整理してもらうのもいいかもしれません。
マッサージや鍼も、人によっては効果を感じるので試す価値はあります。ただし、体への強い刺激は逆効果になることも。帯状疱疹後の神経痛があることを必ず施術者に伝えてください。
医師になりたての頃、初めて接したがん患者さんのことが忘れられません。その患者さんは、痛み止めのモルヒネを使い始め、痛みのせいで寝たきりだった生活を脱し、買い物や美容院に行き、趣味の俳句を詠み、友人とお茶を楽しむこともできるようになったのです。
痛みがなくなるだけで、人間はこんなにも前向きになり、人生をイキイキと過ごすことができるものなのかと本当に驚きました。
そう考えると、相談者さんも、一刻も早く痛みから解放されてほしいと願わずにはいられません。ご自分に合った方法を見つけて、再び前向きな人生に大きな一歩を踏み出されることを心からお祈りしています。
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