「藤原丈一郎」とタレント名を聞くと、何を連想するだろうか。「関西出身」「アイドル」「最近よくテレビドラマで観る」「オリックスファン」など。そんなパブリックイメージと、本人の念願が詰まった一人舞台『じょうのにちじょう』が3月15日まで東京・グローブ座で開催中だ。公開ゲネプロの様子をレポートする。(取材・文:小林久乃)
アドリブ50%とセリフ50%で構成された90分間
『じょうのにちじょう』は藤原が構成、演出、出演を手掛けた一人舞台だ。家族についての作文の宿題を出された小学生の“丈一郎”。その題材になるそれぞれの家族を、本人がすべて演じている。その役の数は、声だけの出演もカウントして「28」。用意されたポップでカラフルな背景の舞台上で、母、兄、姉、祖父と忙しく役柄を変化(へんげ)させながら、進んでいく。上演の約90分間、藤原はとにかく、しゃべりまくる。きちんと呼吸はできているのだろうか? 喉は大丈夫だろうか? と、観ているこちらが心配するほど、しゃべっていた。その様子を一部、紹介しよう。
まずは“丈一郎”の幕からスタートする。ランドセル姿も不自然にならず、可愛らしさを醸し出してくるのは、さすが現役アイドルだ。現代の小学生がYouTubeに興じる様子を持ち込んでくるのは、令和の舞台だとしみじみ。昔なら野球かサッカーだったもんな。
「すっごい、カメラ、めちゃ俺のこと撮ってるやん!」
「めっちゃ、人いる、こんにちは〜」
登場から客席(報道陣)を拾いまくる。「半分セリフ、半分アドリブなんですよ」と、本人が言う通り、客席の様子を見ながら、“丈一郎”が次々に言葉のボールを投げてくる。続いて“母”のターンでは、我々の想像の世界を全く裏切らない「大阪のおばちゃん」の割烹着スタイルに。
「(客席の)声でも聞いてみようかしら。(客席の声援を聞いて)声と人数が合ってない!」
「べっぴんさん、べっぴんさん、1人飛ばして、私の次にべっぴんさん!」
「目が合ったわね!ベージュのセーター、左手にペン、右手にノート!」
人情味たっぷりのテンションで、“母”は得意の歌も披露する。