どのような情報を当てにすべき?

では、どのような情報を当てにすべきでしょうか。

それは信頼できる組織や機関が出している情報です。

『気ままに楽しく! 大人の女ひとり旅』(著:門賀美央子/清流出版)

まず、何より先に参照すべきは目的地の公式サイトでしょう。都道府県やある程度規模がある地方自治体レベル、または有名な観光地などには必ず観光協会があり、観光に特化した情報を一般に向けて発信しています。これを利用しない手はありません。

かつて、まだ旅慣れていない頃は、観光協会という存在自体があまり頭にありませんでした。

駅などに観光案内所が設けられているのは知っていましたが、なんとなく気が引けて利用していませんでした。気が引けたのは、私が見ず知らずの人にものを尋ねるのが苦手だからです。だから、たまさか案内書を利用したとしても、地図をもらうとか、交通機関を尋ねるとか、必要最低限の使い方しかしていませんでした。

けれどもある日、とある地方の小都市で中途半端に時間があいた時に、ふと観光案内所でおすすめの行き先を尋ねてみてはどうか、と思いついたのです。

最初は、候補となる場所をいくつか教えてもらえればそれでいいや、程度の気持ちでした。

ところが係員の女性は驚くほど親身に相談に乗ってくれました。そして、寺院見学が好きというと、さっそく複数のお寺を紹介してくれた上、拝観できるかわざわざお寺に電話をして確認してくれたのでした(地方の小さなお寺の場合、お葬式や法事が入るとそちら優先で拝観を断られることがあります)。さらに公共交通機関を使ったルートなど事細かに教えてくれました。

実にありがたいことでした。

教えてもらった通りの道筋をたどった末、到着したのはとても小さなお寺でした。しかし、見事な枯山水の庭、さらには鎌倉時代の作と伝わる美しい阿弥陀像がありました。お寺では、先に電話があったということでお大黒さま(住職の妻)が快く迎え入れてくれたばかりか、お茶の接待までしてくださいました。

この経験は、確実に私の旅先でのふるまいを変えましたし、人と交流することでしか得られない旅の思い出もあることを知るきっかけになりました。私の旅行史上、大きなエポックとなったのです。