定年後の仕事は趣味や嗜好で選べる
しかし定年後のシニアは、これまでのキャリアを活かし、その延長上で働くことすらうまく行かないこともある。2024年発表の総務省の統計でも、65歳以上で仕事をしている人の75%以上が非正規雇用だという結果になっている。
ただし、仕事の内容を選ばなければ、種類も求職も数多くある。少子高齢化で労働人口が減るなか、景気の良し悪しにかかわらず、構造的な人手不足が出来(しゅったい)しているからだ。
キャリアやスキルが必要とされない単純労働であれば、新聞広告や折り込み広告などで募集の確認ができる。私がある新聞の折り込みの求人情報をチェックしてみると、施設・公園の管理スタッフ、短期事務スタッフ、食器洗浄スタッフ、包装・梱包作業パート、工具検査スタッフまで、バラエティに富んだ仕事があった。
いずれも年齢制限は明記されておらず、高齢者に対しても門戸が開かれているようだ。当然、ネットの求人サイトにも、たくさんの求人広告が載っている。
やはりインディードを使って「アルバイト、パート」で検索すると、東京23区では、約34万件もの求人がヒットしたことがある。ガーデニングスタッフ、在宅コールスタッフ、通信高校の受付事務員、アパレル商品の荷受け・入荷軽作業員、宿泊施設の夜間管理業務、図書館巡回スタッフなどである。
定年後の人たちには、「それほどおカネを稼がなくてもいい」「好きなことや趣味を活かした仕事を楽しく続けたい」と言う人もいるだろう。趣味と実益を兼ねて幾ばくかの収入になれば、まさに一挙両得である。
そうしたことを各求人サイトで検索してみると、なかには少し変わった求人がある。たとえば「高齢者モデル」や「声優」。もし、かつて演劇をやっていたり、声に自信があったりする人ならば、モデルや声優に挑戦してみるのも面白い。
「シニアライフコンシェルジュ」といったものもある。高齢者と話をして、彼らの様々な要望を引き出す仕事だ。人と話すことが好きなら、こうした仕事も楽しいだろう。
また「家事&育児サポート」という仕事は、子を持つ親の母親、つまりおばあちゃんのようになって、依頼者の子どもを保育園に送り迎えしたりする子育てサポートから、はたまた人生相談にまでのるものだ。
こうしてみると、定年後の人たちが働き、活躍できる仕事が想像以上に多種多様であることに驚く。自分の興味のある仕事、趣味の周辺にある仕事、そして楽しみながらできる仕事があれば、もう言うことなしであろう。
このように、定年後の仕事はバラエティに富んでおり、それを趣味や嗜好、あるいは勤務地の近さで選ぶことができる。これも、定年後の人たちのアドバンテージである。