胸鎖乳突筋だけをストレッチ

「スマホ首」を治すために、いちばん重要なのが胸鎖乳突筋をほぐすこと。この筋肉は耳の後ろから首の前側を通り鎖骨・胸骨につながる大きな筋肉で、首を曲げたり回したりするだけでなく、呼吸を補助する役割も担っています。ただ、胸鎖乳突筋のある首の前側は、神経の束やリンパ管、頸動脈も通る非常にデリケートな場所。肩や首の後ろのように、ゴリゴリもんでほぐすことはできません。

そこで私が考案したのが、ストレッチでスマホ首を改善する「スマレッチ」。ポイントは、胸鎖乳突筋“だけ”をストレッチできるように、肩をつかんで腋を締め、鎖骨や胸の筋肉が動かないように固定すること。この状態で頭を斜め後方に傾けることで、気持ちよく、確実に首の前側を伸ばすことができます。

慣れるまでは鏡を見て、胸鎖乳突筋が「筋」として首の横にぽっこり現れているかを確認しながら行うといいでしょう。1回15~30秒かけてジワーッと伸ばすのがコツで、ぐいぐい引っ張ったり、反動をつけて行うのはNGです。

 

【Step1】胸鎖乳突筋を伸ばして首を正しい位置に

スマホ首の人は、首の前側にある胸鎖乳突筋という筋肉が緊張状態になっています。基本の首ストレッチ=「スマレッチ」でこの筋肉をほぐすと、首回りの症状がぐっとラクに

 

《基本のスマレッチ》

1 肩に手を置いて鎖骨を押さえる

1.肩に手を置いて鎖骨を押さえる

右手で左肩をつかみ手のひらで鎖骨を押さえます。左腋はしっかり締めて、鎖骨とその下にある胸の筋肉(大胸筋)が動かないように固定

 

2 正面を向いたまま頭を後ろに倒す

2.正面を向いたまま頭を後ろに倒す

鎖骨をしっかり押さえながら、頭をゆっくり後ろへ倒し、あご先を軽く上に向けます。このひと手間で、別の筋肉が先に伸びるのを防ぎます

 

3 頭を横に倒し胸鎖乳突筋を伸ばす

3.頭を横に倒し胸鎖乳突筋を伸ばす

頭を後ろに倒したままゆっくり右に傾け、あご先を左上に向けます。左の耳たぶの下から胸鎖乳突筋が伸びるのを感じながら、1回15〜30秒かけてジワーッと伸ばす。反対側も同じように