欧州系イケメン神に救われる

私は、危機になると新聞の大見出しが頭に浮かぶ体質なので、走りながら、「美人記者、ブラジルで国際的な迷子に!」が頭に浮かんだ。こんな時にも「美人」はしっかりつけていた。

「もうダメだ」と思った時、欧州系の20代後半に見える背の高いイケメン(当時はイケメンは『ハンサム』と言ったが、現代に合わせた)が立っていた。フランス語で「シルブプレ」(『お願いします』という意味)と言えば、助けてもらえるとどこかで聞いたことがあった。

私はイケメンに向かって「シルブプレ」と叫んだ。彼は、「どうした?」という感じで私の近くに来たので、搭乗券を見せた。

彼は驚いた顔をして、大きな無線機を取り出して、誰かと話し出した。それから、「僕について来て」という身振りをした。早歩きの彼に、足の長さの違いにより私は走ってついて行った。

(写真:stock.adobe.com)

すると閉じたゲートが見えた。近づくとゲートが開き、立っていた警備員のような男性が私を見てうなずいた。さらに猛スピードで進み、飛行機に搭乗できるところに、出発時間ギリギリに到着。どこをどう進んだのか、全く分からないのだが……。

彼は笑顔で、「Have a nice trip」(良い旅を)と私に言ったので、あせりまくった気持ちがぶっ飛んだ。彼が「後光がさした欧州系イケメン神」に見えた。私は日本が誇る合掌で彼を拝みながら、日本が誇るお礼の言葉「ありがとうございます」を3回連発した。