定年後なにもしなかった

体力維持のためになにもしなかったため、体は弱る一方である。

まだ四、五十代の頃までは、ラジオ体操をしている老人を見ては、あれ役に立つのかねと思っていたが、いまや完全にかれらに負けてしまった。

『老後がめんどくさい』(著:勢古浩爾/草思社)

ラジオ体操は、ばかにできないのだ。

体も動かさずに18年なんて、もう体が硬くなってしまっている。

柔軟性はまったくなくなり、関節はギシギシだ。

定年後、なにをしてもいいし、なにもしなくてもいい、つまり個人それぞれの勝手、好きにすればいいのだというのが、生来ものぐさなわたしの基本だった。

そんな偉そうなことをいっていたら、そのツケが回ってきたのだ。

好きなことをすればいいとはいってたが、好きなものなどなく、結局、ただのものぐさだったわけで、結果、ほとんどなにもしなかったのである。

自転車には毎日乗ってるし、平日は1万歩ほど歩いているから、まあ足腰は大丈夫だろうと思ってたのだが、これがまるで役に立っていないのだ。

わたしはシャキッと歩いているつもりでも、もしマラソン解説者の金哲彦さんに見てもらうなら、肩甲骨や大臀筋を使ってないから全然ダメといわれるのだろう。

歩くのに肩甲骨や尻の筋肉を使うなんて、まるで知らなかった。