生来のめんどくさがり

定年退職をしたら、その後の人生をどう過ごせばいいか、ということでいろいろいわれていた。

仕事はつづけて、ある程度収入は確保したほうがいい。

時間がありあまるから、なにか趣味は見つけたほうがいい。

ご近所デビューをして、人とのコミュニケーションは図ったほうがいい。

ボランティア活動で、社会貢献をするのもいい。

定期的に健康診断は受け、適度な運動はしたほうがいい。

だがわたしは生来のめんどくさがりなものだから、これらのすべてにたいして、ほっといてくれ、と思った。

しかしラジオ体操くらいはやっておいたほうがよかったなと、いまになって気づいた。

なにもしなかったせいで、脚が覿面(てきめん)にだめになった。

筋肉がなくなったうえに、骨はたぶんスカスカだ。

いまからでも遅くないから、ラジオ体操でもスクワットでも簡単な運動でもすればいいのだが、多分やらないな。めんどくさがりが致命的だ。

※本稿は、『老後がめんどくさい』(草思社)の一部を再編集したものです。

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