生来のめんどくさがり
定年退職をしたら、その後の人生をどう過ごせばいいか、ということでいろいろいわれていた。
仕事はつづけて、ある程度収入は確保したほうがいい。
時間がありあまるから、なにか趣味は見つけたほうがいい。
ご近所デビューをして、人とのコミュニケーションは図ったほうがいい。
ボランティア活動で、社会貢献をするのもいい。
定期的に健康診断は受け、適度な運動はしたほうがいい。
だがわたしは生来のめんどくさがりなものだから、これらのすべてにたいして、ほっといてくれ、と思った。
しかしラジオ体操くらいはやっておいたほうがよかったなと、いまになって気づいた。
なにもしなかったせいで、脚が覿面(てきめん)にだめになった。
筋肉がなくなったうえに、骨はたぶんスカスカだ。
いまからでも遅くないから、ラジオ体操でもスクワットでも簡単な運動でもすればいいのだが、多分やらないな。めんどくさがりが致命的だ。
※本稿は、『老後がめんどくさい』(草思社)の一部を再編集したものです。
『老後がめんどくさい』(著:勢古浩爾/草思社)
「老後は楽しめ」「前向きに生きろ」「健康に気をつけろ」「趣味を持て」――等々、現代の老後には、“やるべきこと”があまりに多い。
本書は、そうした社会の空気に対して、著者が「めんどくさい」と率直に感じる感覚を出発点に、老い・幸福・お金・運・社会の同調圧力について思考していく老後論&人生論である。




