「老後は楽しめ」「前向きに生きろ」「健康に気をつけろ」……。年を取ると、老後の生き方についてあれこれ言われることも多くなります。78歳の評論家・勢古浩爾さんは、そうした強制社会に違和感を覚えるといい、自身の老後についても「日々、風に吹かれるすすきのように、穏やかに過ごせればいい」と語ります。今回は、勢古さんの著書『老後がめんどくさい』から抜粋し、勢古さんの老後論・人生論をご紹介します。
一気に老後に突入してしまった
60歳で退職してから(正確には59.5歳)、早いもので18年経つ。
60歳は世間的には初老といわれるのだろうが、わたしに老いの意識はまるでなかった。それが現在では78歳。もう老人の意識だらけになってしまった。
つまり初老以前の意識から、一気に老後に突入してしまったのである。
嫌でも、自分がじいさんであることを認めないわけにはいかない。
体がまたじじいに相応しい体になってしまった。