「老後は楽しめ」「前向きに生きろ」「健康に気をつけろ」……。年を取ると、老後の生き方についてあれこれ言われることも多くなります。78歳の評論家・勢古浩爾さんは、そうした強制社会に違和感を覚えるといい、自身の老後についても「日々、風に吹かれるすすきのように、穏やかに過ごせればいい」と語ります。今回は、勢古さんの著書『老後がめんどくさい』から抜粋し、勢古さんの老後論・人生論をご紹介します。
老後のお金の心配は当然ある
老後不安ということでいえば、お金のことは抜きにはできない。
定年時の65歳の時点で、収入がなくなると考えるなら、それ以後の20年間ぐらいは、多少余裕をもって生きていけるだけの資金が必要である。
定年までに株や投資かなにかで、1億円ぐらい儲けた人は除外する(1億は少ないか)。ほかに、なんだか知らないが、おれは全然大丈夫、なんの心配もない、という人もほっとけばいい。
わたしに老後のお金の心配がないかといえば、当然あるのである。
国民年金や厚生年金を元にして、月にいくらあれば生活できるかといいだすと、人それぞれである。
国民年金か厚生年金で額がちがい、そのなかでも人によって額が全然ちがう。
そのうえで、ひとりだけの生活か、夫婦ふたりの生活か、でもちがうし、持ち家か借家か、でもちがう。ゆえに一概にいくら必要とはいえない。