執筆を見守る愛猫の三九(みく)(写真提供:嶋津さん)

有吉佐和子作品と出合って読書好きに

子ども時代はどちらかというとおとなしい子で、外で遊ぶより、家で漫画を読んだり絵を描いたりするほうが好きでした。当時、NHKで三波伸介さんと中村メイコさんがMCをつとめる『お笑いオンステージ』という番組があって。

「減点ファミリー」というコーナーで、三波伸介さんがゲストの家族からゲストの顔の特徴を聞きながら似顔絵を描くんです。その真似が大好きで、テレビにわら半紙を貼って、かなりリアルな顔を描いたりしていました。

「少年少女世界の名作」で『赤毛のアン』や『秘密の花園』などを読んでいましたが、文章より絵を描くほうが好きだったので、当時の将来の夢は漫画家でした。

部活は、中学では軟式テニス、高校では水泳部で飛び込みをやっていました。「運動部のほうがイケてる」という、軽い理由で選んだのですが、飛び込みは本当に怖かった。大人になってからも「これから飛び込まなきゃいけない」という夢を見るくらいです。

実は、高校時代はほとんど本を読みませんでした。飛び込みの恐怖で気持ちが疲れるせいか、とにかく眠くてしょうがない。1時限目から5時限目まで眠り続けたこともあります。

ところが読書感想文の課題で有吉佐和子の『華岡青洲の妻』に出合って。生まれて初めて大人っぽい小説を読み、面白いなと感じました。

その後、大学は法学部に進学。ゼミで同期の男子学生があるノンフィクション作家の名前をあげて、「オレはこの作家の作品は読破した」と、ちょっとエラそうに言うのを聞き、「読破って言葉はカッコいいなぁ」と思って(笑)。

じゃあ私は有吉佐和子の小説を読破してみよう、と思って読み始めたら、面白くてやめられない。そこから、読書が習慣になりました。