ノンフィクション作家の吉永みち子さん(撮影:本社・武田裕介)

2人でイタコをハシゴする旅へ

旅行にもよく一緒に出かけました。誰かと24時間、それも何日もとなると、見たくないところを見てしまったりして、ダメになるケースってあるでしょ? 保守的な内館さんとリベラルな吉永というように、私たちは性格も思想信条も正反対だったけれど、不思議とそうならなかった。

しょっちゅう「なんでそう思うのかねぇ」なんて言い合いながらも、笑いが絶えないし、そうしたことも含めて面白く感じていたんだね。

そんな内館さんは54歳の時、「養老院より大学院だ!」と言って、東北大学大学院で大相撲の宗教学的考察の研究を始めました。民間宗教も研究範囲だったようで、ある時、「イタコに会いに青森県の恐山に行って、双葉山(戦前の大横綱)の霊を降ろしてもらった」と興奮気味に電話をかけてきたの。

降ろしてほしい人の没年月日と関係を聞かれたとき、「知人」って言ったっていうから、「向こうはあんたのこと知らないでしょ!」と突っ込みを入れましたよ。(笑)

でもね、なんとイタコの第一声が「見ず知らずのあなたが、私を呼んでくれてうれしい」だったらしいの。彼女は素直だから、「知人じゃないのがわかったんだから、イタコの能力は本物だ!」と大興奮。