もしかしたらこんな生き方を経た上で復讐をしてやると何度も唱えたクラスメイトたちの《今》のように誰かと心を通わせて結婚して家族を作ったり平和な日常を送ったりすることが一番の最終復讐になり僕が僕を赦す瞬間なのかもしれない。

はたまたそんな未来があってもなくてもなお、復讐を胸に復讐のために生きているのかもしれない。

どうなっても音楽をやっていたい。

復讐は悲しいことでも不幸でもなんでもない。

復讐だけが目的で復讐のために生きていた僕は今、復讐だけじゃない音楽があって気づいたら僕を見つめてくれるあなたと目を合わせて歌を歌っている。

復讐だけで始めたまぼろしがやがて誰かのまぼろしになり同じ場所を見つめている。僕はそれに出会えただけで幸せだ。

復讐で食べる飯はほっぺたが落ちるほどに美味しくてお金なんて一円もいらなかった。

 

※本稿は、『哲学なんていらない哲学』(あの:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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哲学なんていらない哲学(あの:著/KADOKAWA)

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