蛆虫の存在

実のところ、死体の腐敗以外にも蛆虫が発生する状況は存在するのだ。

基本から始めよう。虫、特に蠅は死体から生じる臭いに引き寄せられる。腐敗の各段階で臭いは異なり、それぞれの臭いに特に敏感な虫がやって来て死体に群がる。これらは「腐肉食昆虫」と呼ばれる。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

腐肉食昆虫は、死の直後から死体に集まり出す。すなわち、人間の鼻が何も感じなくとも、死体はごく早い時期から虫を引き寄せる臭いを放っているのだ。最初にやって来るのは、皆さんもご存じの、体の色が緑や青や黒の蠅だ。蠅は、ほんの少し開いている窓から発散される臭いに引き寄せられ、時としては何十キロの距離を飛んでやって来る。

嫌悪感を掻き立てる蠅であるが、死亡時期を推定するのには役立つ。この推定は時として驚くほど精度が高い。

最初にやって来る蠅は、組織の分解によって発生するアンモニアの臭いに引き寄せられる。今回のベルナールは、起き上がることができずに転倒したまま放尿したため、尿のアンモニア臭に引き寄せられた蠅が産卵したのだ。たちまち孵化して発生した蛆虫を見た警官たちは、ベルナールはとっくに死んでいてすでに腐敗が進んでいる、と勘違いした。

蠅はなかなか有益な昆虫である。蛆虫はタンパク質に富んでいて、養殖の餌として注目されている。さらに、蛆虫が傷口をきれいにしてくれる場合もある。壊死した組織に取り付いて、食べてくれるからだ。傷口が感染している場合も含めて。