出版業界に新しい波

―― 棚の借り主を集めることができれば、収益は見込める。となると、書店ではなくマイクロ不動産業というとらえ方もできますね。

今村:そうともいえて、「本を扱って儲けられるなら大いに結構や」と思うのですが、シェア型書店という業態は、海のものか山のものか分からんから、これまで大手書店はそこに本気で取り組もうとしてこなかった。

でも、こういうムーブメントがあるなら、次にそれがどのように再投資されていくのか。そのことに、僕は興味をかき立てられるんです。

趣味であれ、ビジネスであれ、利益が出るのだったら、それを全国に広げていったり、別のムーブメントを作ったりしながら出版業界に新しい波を起こしていく。そんな対流を生み出したいのです。

※本稿は、『書店再興 まちの本屋さんのゲームチェンジのために』(日経BP)の一部を再編集したものです。

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書店再興 まちの本屋さんのゲームチェンジのために』(著:清野由美/日経BP)

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現状の課題認識、再興の道を探るキーパーソンのインタビュー、そして「ゲームチェンジ」の戦略を、シビアな数字と希望を持って語る。

書店はやっぱり再興(サイコー!)だ。