ドミノ倒しのように病気を招く

リスクはそれだけではありません。例えば、歯が痛んだり、歯がボロボロになったりすると、食生活はどうなりますか? そうです、硬いものが食べられなくなります。お肉や生野菜を自然と避けるようになり、柔らかいパンや加工食品、麺類が増えることに。

これらの食事ではタンパク質やビタミンが不足して、筋力が落ちてヨボヨボ状態(フレイル)になってしまうのです。

筋力が落ちると、何でもない段差でつまずいて「転倒」しやすくなります。高齢者の転倒の10%では骨折に至り、これが寝たきりの引き金に。

要介護になる原因の約14%は、転倒・骨折です。大腿骨骨折の場合、転倒後1年以内の死亡率は30%程度とする調査も。

また、しっかり噛めないと脳への刺激も減り、認知症を促進します。

先ほど「8020運動」を取り上げましたが、歯が20本未満の場合、認知症リスクが約2倍とする報告もあります。

つまり、大人むし歯1本を「ま、いいか」と放置すると、ドミノ倒しのように全身の健康を崩し、最終的に「1.7倍の死亡リスク」という、とんでもない損失を抱える可能性があるのです。