『夏野菜の揚げびたし』(撮影:上原ゆふ子)
現在発売中の『婦人公論』(7月14日号)の料理連載「ヘルシーキッチン」では、「定番料理」を特集! 焼売、麻婆豆腐、揚げびたし……、みんなの好きななじみのおそうざいこそ、おいしく作りたいもの。そんな願いを叶えてくれるのが、小堀紀代美さんの定番レシピです。主宰する料理教室でも大評判の作り方を、丁寧にご紹介します(料理=小堀紀代美 撮影=上原ゆふ子 構成=北村美香)

試作を重ねて完成した自信のレシピです

料理の仕事のスタートは、自分で開いたカフェでした。料理修業の経験はなかったので、レシピの考案に四苦八苦しました。実家が洋菓子店なので、店の味を求めてお客様がいらしてくださる喜びを身近に感じていましたから、品数は少なくても、自信をもってお出しできるメニューをと思って工夫を重ねました。料理教室を始めたいまも、同じ思いです。

求める味にたどり着くまでには、海外に行って食べ歩いたり、プロの料理人さんに訊いたりして、何度も試作します。ご紹介するメニューは、小さな疑問をひとつずつ解決していって、やっと完成したレシピです。

なすの揚げびたしのために、ひと夏に500本以上なすを揚げたことも。おいしく仕上げるコツは、揚げたての熱々を、冷やしたひたし地で地洗いしてから、ひたし地につけること。さらに、かつお節をのせて旨みをプラス。料理は彩りも大切なので、パプリカやトマトを添えています。焼売や麻婆豆腐も食べ歩いて、自分の好きな味をみつけて、とことん作り込みました。

今回のレシピには、私なりのコツを書いてありますので、最初はレシピ通りに作ってみてください。コツをつかんだら、ご家庭ごとの味にアレンジして、末永く作り続けていただけたら嬉しいです。

「店の味を求めてお客様がいらしてくださる喜びを身近に感じていましたから、品数は少なくても、自信をもってお出しできるメニューをと思って工夫を重ねました。」(小堀さん)