武田信玄の旗印で『オレオレ詐欺』を防ぐ
『オレオレ詐欺』が登場した頃、戦国武将が好きな私の知人は、武田信玄の旗印「風林火山」を合言葉にした。知人の息子が自宅に電話をした時、最初に「風林」と言うと、知人もその妻も「火山」と答え、息子本人かを確認するのだ。ある日、息子が自宅に電話をして「風林」と言うと、高校生の妹が出て「夏」と答えた。妹は「風鈴」をイメージしていた。
私が会社に勤めていて、認知症を発症した母が自宅にいた頃、詐欺犯が自宅にやってくることがたびたびあった。
ある日、母に「お嬢さんに家の修理を頼まれたので、前金として7万円をください」と言い、家を訪ねてきた人がいた。
固定電話の近くの壁に、私が勤めている会社の電話番号を書いた紙を貼っていたので、母は電話をしてきた。詐欺に気づいたからではない。「家にお金がないからどうしたらいいの?」と、電話口で母は私に訴えた。
私が娘で、母が認知症であるという情報が流れているような気味の悪さを感じたが、玄関の外にいる詐欺犯は、電話をかけているとわかったらしく逃げてしまった。母は「帰ってしまったけど、いいの?」と、私に聞いた。
また「80歳を過ぎても、いま10万円をいただければ保険に入れます」と、やって来た人もいた。その時は、母は2階に向かって「10万円がないのよ!」と叫び、兄が「何のことだ!」と大声を上げて階段を降りて来たので、詐欺犯は驚いて逃げたそうだ。
