自分にあった処分法は?

ただし、早急にすべきこともありました。時間を見ては実家に出かけていたものの、空き家状態が続いてしまいがち。母がお世話になっていたご近所さんに迷惑をかけてしまうのではないかと気がかりでした。

そこで導入したのがセキュリティシステムです。痛い出費ではありましたが、これで誰にも迷惑をかけることなく、納得が行くまで母の遺品と向き合うことができる。同時に自分の心を癒やすことができるのだと安堵したのを覚えています。

そうしたなか、真っ先に処分したのは、壊れて使えなくなっていた小型家電でした。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のメダルを、全国各地から集めた小型家電・リサイクル金属で作ろうという「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」(受付は19年3月末日で終了)に参加したのです。

オリンピックは延期になってしまいましたが、母は開催をとても楽しみにしていたので喜んでくれるかなと。私にしても、単に捨てるのではなく、再利用されるのなら、とサクサク荷造りをすることができました。それにしても出てくるわ、出てくるわ。引っ越し用の大型段ボール4箱にぎっちり詰めて発送しました。

使っていなかった食器などの日用雑貨はリサイクルショップへ。洋服やバッグなどに関しては、これは母のお気に入りだったという物はとりあえずということで手元に残し、それ以外の物は「マルイの下取り」イベント(20年3月末日終了)を利用して割引券に換えました。自分に合った処分法を求め徹底的に調べた結果、「コレだ!」と。

母の遺したいくつかのアイテムを、自分が必要としている物と引き換えにするのが合理的に思えたのです。それが化粧品など消耗品であれば、物が増えることもなくいいかなと。