死別した女性の持ち家率
なお、夫と死別した女性では、持ち家の割合が6割強と飛びぬけて高い。このデータに偏りがあるわけではなく、政府調査でも、筆者が行った調査でも、夫と死別した女性の持ち家率の高さは証明されている。
これについては、死別時の年齢階層や住宅の名義が不明のため推測の域を出ないが、大きく分けて、ローン返済後の持ち家を継承したパターンと、ローンが残った状態で死別したパターンが想定される。たとえ後者であっても、たいていの場合、住宅購入時に加入する団体信用生命保険(団信)でローンが完済されるため、死別後もそこに住み続けることができる。また、筆者の調査では、夫の生命保険により持ち家を購入したというケースもあった。配偶者との死別などにより単身世帯となり、そのまま持ち家に住み続けている「添い遂げ型単身者(母子含む)」の場合には、持ち家率が一般世帯並みに高くなる傾向があるということである。
なお、年齢別に住宅の所有関係を見ると、年齢が高くなれば、自己所有の持ち家率も上昇する傾向が見られる。特に、65歳以上では持ち家率が約6割である。一方で、親族の持ち家の割合は、年齢が高くなると低下傾向を示す。これについては、親族名義の持ち家に同居などで住み続け、高齢期に相続するというケースが一定存在するためではないかと考えられる。
毎月の住居費については、2割強が7万円以上、46.1%が5万円以上を負担している。民間賃貸住宅居住者の約4割が、7万円以上の家賃を支払っている。住居費支払い後の家計については、「あまり余裕がない」が約4割、「全く余裕がない」が2割強であった。
仮に、病気や雇い止め、パンデミックのような緊急事態が起こった際、日本には普遍的な家賃補助政策がないために、貯蓄など、自ら対策を講じておく必要がある。しかし、同調査では、65歳以上で貯蓄がないという回答は1割強、貯蓄額が300万円未満は4人に1人という結果であった。