(写真提供:Photo AC)
警察庁が公表した「令和7年中における死体取扱状況(警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者)について」によると、2025年中における警察取扱死体20万4,562体のうち、自宅で死亡した一人暮らしの者は7万6,941体で37.6%だったそうです。そんな中「老後ひとりの『最期の居場所』をみつけるのは難しい」と語るのは、住生活問題を専門とする追手門学院大学地域創造学部教授・葛西リサさんです。今回は葛西さんの著書『単身高齢者のリアル ――老後ひとりの住宅問題』より一部を抜粋し、単身高齢者の実態をお届けします。

中高年シングル女性の住生活実態

女性のライフコースは多様なものとなった。専業主婦の割合は低下し、一方で、結婚後も働き続ける人、子を持たないDINKSを選択する夫婦も増えた。また、未婚で子を持つという選択肢はいまだ少数派だが、実数としては増加傾向にある。さらに、離婚という選択肢は特別なことではなくなり、生涯未婚で高齢期を迎える人もいる。

では、こういった女性のライフコースは、中高齢期の住宅事情にどのような影響を与えるのであろうか。東京を拠点に中高年シングル女性の自助グループとして活動するわくわくシニアシングルズが実施した調査からその一端を見てみよう。

同調査は、2022年、中高年シングル女性の生活の実態と当事者の要望を行政政治・社会に届け、現状の改善に役立てることを目的に企図されたもので、40歳以上のシングル女性2345名を対象に実施されたものである。

回答者の年齢は、40代、50代に集中しており、60代以上(337名)が全体の14.4%と少ないが、ライフコースと紐づけて高齢期の居住の実態が把握できる点で、希少性が高いデータだと言える。

全体では、独身が56.8%と圧倒的に多いが、これを65歳以上に限ってみると、独身23.3%、離婚39.7%、死別26.9%、非婚・未婚の母5.5%、別居4.6%となる。また全体で見ると、就労している人は1984人(84.6%)だが、60歳以上65歳未満では77.1%、65歳以上70歳未満では66.2%、70歳以上でも45.9%が就労している。

雇用形態について、正規雇用の割合は、全体の44.8%で、半数以上が非正規雇用やフリーランスである。年齢が高くなるほど非正規の割合が高まり、同調査では65歳以上の9割が非正規やフリーランスであった。