そんな祖父に笑顔で付き添い続ける母の姿を見ていると、その負担の大きさにいつも目を背けたくなる。実家にたまに顔を出すくらいになっていた私でさえ、「この状況がいつまで続くのだろう」と思っていたのだから、母はもっと切実だったに違いない。
そんな生活のなかで週に1度の訪問介護の日だけが、母が一息つける大切な時間だった。とはいえ、部屋の掃除に、祖父の食事や着替えの準備をしなければならないし、何かあればすぐに連絡がきてしまうので遠出することも難しい。それでも当時は、母が少しでも休むことができる唯一の方法だったのだ。
ある日、母の姪の結婚式に家族で招待を受けた。せっかくのおめでたい席だから揃って参加しようと、事前にヘルパーさんと話をつけ、訪問介護の時間延長を申し込み、何かあってもすぐに戻ることができない旨も伝えて、万全の準備を整えたはずだった。
母は久しぶりに妹と姪の顔を見るのをとても楽しみにしていたし、何年かぶりに半日もの自由な時間を手に入れたことを無邪気に喜んでいたから、私も我がことのように嬉しかったのに……。