「体の状態は人それぞれ。体格や体質によって血液を循環させるために必要な血圧は異なります。つまり、血圧にも個性(個人差)がある。従来は『上の血圧が年齢+90までが許容範囲』とされたほど、加齢の影響も大きい。
ところがWHO(世界保健機関)の血圧基準値の改定を受けて、2000年以降、日本でも年齢を問わず、上の血圧(収縮期血圧)140以下が基準値と定められました。年齢や体質を考慮せず、140を超えたらみな『高血圧症』と診断されるようになってしまったのです。
しかし、140を少し超えた程度で薬を服用して強制的に血圧を下げると、体内の血液循環が滞ってしまう。誤解を恐れずに言えば、60代以降に血圧が140前後になるのは、ある意味、自然なこと。体調不良がなく快適に日常を送れているのならば、問題ありません」(加藤先生。以下同)
血圧に個人差があるとはいえ、許容範囲の目安は知りたいところ。
「多くの研究から、男女ともに最高血圧160未満では死亡リスクや健康寿命に差がないものの、160を超えると死亡リスクが上がり始め、180からは急上昇することがわかっています。ということは、リスクが高まる境界線は160。
もし現在、上の血圧が160前後で体調不良がないのであれば、薬に頼らず、降圧体操や食事法を取り入れ、血管をしなやかに保つよう心がけましょう。
ただし、180を超えるほど高い場合は医師に相談し、薬の力を借りて速やかに下げるのも一考です。160前後なら、まずは自分でできる対策を試しましょう」

