臨機応変に年金を受け取る

Gさん(67歳)は妻とふたり暮らしで、子どもはいません。贅沢に暮らしてきたわけではありませんが、あまり貯蓄できずに定年を迎えます。退職一時金は約600万円で、貯蓄は総額約800万円となりました。

老後資金が心許ないと考え、定年後も再雇用制度を利用して働き続けました。この間、70歳まで雇用される別の業種の委託社員になる話が舞い込み、転職を決意。ところが、転職先の業務が肌に合わず、ストレスが増して2年で退職。再就職も考えましたが、年齢的になかなか採用されず、年金生活に入ることを検討しています。

前述のように、年金は受給を1か月繰り下げれば0.7%、1年で8.4%、10年なら84%も増やせます。Gさんも定年直後は75歳までの繰り下げを目指しましたが、生活費や健康状態が気になり始め、70歳までの繰り下げを目標とする資金計画に変更しました。

5年の繰り下げでも受給額は42%も増えるため、老後資金不足はかなり解消できます。ところが、70歳まで働き続けるもくろみが頓挫しそうなのです。老後の就労は、体力的にも人間関係の面でも思うようにいかないケースが多々あり、Gさんのようなケースは珍しくありません。

こうして収入が減る状況となったGさんですが、年金は2年の繰り下げとなって16.8%増えるほか、妻が65歳になるまで、厚生年金の加給年金を月額約3万3000円受け取れることがわかりました。

健康保険料を支払った後の手取りは20万円弱。当面はできる限りこの金額内で支出が収まるように少しずつ生活を見直し、妻の年金受給が始まる3年後以降も、なるべく支出は増やさず、老後資金に回す方針にしました。見直し後の収支を維持できれば、3年後から毎月2〜3万円ほど貯蓄を増やせる見込みです。