黒柳 そうそう。母がアンティークビーズバッグを美術館に寄贈したのも、そういう考え方があったからだと思います。私ね、感心したのは、あなた、学芸員の資格をお取りになったでしょう?

田川 公益財団としてコレクションを守るために学芸員の資格が必要で、コロナ禍で時間のあった頃に取得したんです。

黒柳 子どもの頃は勉強が嫌いでサボっていたと聞いていたから、大したものね。

田川 興味があることには集中できる(笑)、僕もトットちゃん的な子でしたから。そういえば、家に引きこもっていた女の子で、テレビで見た僕のビーズ刺繍教室に通うようになり、後に高校の認定試験を受けて大学に進学したという子がいたのですが、僕が子どもの頃に徹子さんを見て感じたのと同じことを、その子は僕に感じたのかなと思いました。

黒柳 たぶん人は、自分が素敵だと思うものを身に着けたり、手元に置いたりすると、心が満たされて元気になるんだと思うんです。それは豪華なドレスじゃなくても、ちっちゃなお花や手作りのぬいぐるみでもいい。世界中を見てきて、そう感じます。私もよく「これ可愛い!」と言うけれど、それは私の元気のもと。

田川 「可愛い」という気持ちで、自分も励まされるんですね。

黒柳 『徹子の部屋』の最初の頃は、べつに同じ衣装でいいと思っていたんです。始まってすぐのあるとき、親の介護をしてらっしゃる女性から「毎日の衣装が楽しみ」とお手紙をいただいて。

「ああ、そういうことでお役に立てることもあるのだな」と思った。衣装は全部自分で考えて着ています。増えていった洋服はもったいないので、だいぶバザーに出しました。

田川 そういった徹子さんが大切にしてきた衣装をはじめ、貴重なコレクションから社会貢献活動までを徹子さんのミュージアムで多角的に展示しています。