長く生活を共にして、「暗黙の了解」が増えた家族だからこそ、実は密なコミュニケーションが大切です。脳科学を研究する黒川伊保子さんが、読者から寄せられた相談に答えます。今回の相談は、40年耐え続けた、モラハラ夫との関係についての悩みです。(構成=篠藤ゆり イラスト=星野イクミ)
【相談】
夫のモラハラ発言に耐えた40年(65歳・主婦)
結婚40年目。夫は「温かい料理は温かいうちに」「おかずは3品以上、少しずつ食べたい」と言うような人で、定年後も毎日食事の支度に追われ、ゆっくり食卓を囲んだことがほとんどありません。
食器を洗っていると、お湯を使っていないか確認しにきたり、私が何か言い返そうものなら、「俺の金で暮らしているくせに」などと言ったりします。
先日、コロナ禍で1人につき10万円が世帯主に給付されるニュースを見ていたら、「お前がもらえると思うなよ」と言われました。
これまでロクに言い返さなかった自分も悪いのですが、どちらかが死ぬまでこんな生活が続くのかと思うと、うんざりします。今から立ち向かう方法はあるのでしょうか。