感情的な言葉は、相手を怯えさせたり怒らせたりしても、本意を十分に伝えることはできません。怒る前に、自分の事情をわかってもらう努力もしてみましょう。

たとえば中学生の子どもが相手だったら、「お母さんはこれとこれをやらなきゃいけない。食器の片づけをしてくれないと、お母さんの睡眠時間が短くなる。だから手伝ってくれないと困るの」と、きちんと話すとか。

ただ、小学校低学年の子どもは、言い聞かせてもなかなか思い通りになりません。相談者は会社勤めをなさっているので、仕事のトラブルへの対処方法など、蓄積された知恵をお持ちだと思います。家庭の中に、あえて仕事の目線を持ち込むといいかもしれない。

下の子は「無茶なことばかり言ってくる取引先」と考えてみると、「仕事だからしょうがない」と思えることもありませんか。

夫の「仕事を辞めたら?」という発言は、完全にアウトですよ!「今、自分がどんなひどいことを言ったかわかってる?」と冷静な言葉で立ち向かいましょう。あるいは「じゃあ、あなたが定年退職したら3食作って、掃除も洗濯もしてください」なんて。相手は発言のうかつさを思い知るでしょう。

僕が冷静に話し合うことをなぜ勧めるかというと、それが一番「苦しみを長引かせない」方法だと思うからです。感情を相手にぶつけたって、言わずに我慢したって、苦しさは続く。少しでも早く終わらせるためにここは踏ん張りましょう。

それでも感情を発散させたい時は……思い切り声に出しましょう。ただし、洗面器や浴槽に溜めた水に口をつけた状態でね。

相談者は、「このままではDV母になってしまいそう」と自覚しているから、まだ踏みとどまれます。自分の心のあり方を変えていくのは大変だし、怖いことでもある。でも、あなたが変われば、家族との関係性も必ずよくなりますから、どうか諦めないでください。