親孝行すなわち同居ではありません
お手紙を拝読し、いったいいつの時代の話だろうかと目を疑いました。まずは従兄ご夫妻の件です。令和の時代に、いまだにこのような思考の50代男性がいるなんて……。2025年の日本のジェンダー・ギャップ指数が、世界148ヵ国中118位という結果が頭に浮かびます。
相談者さんは親思いで責任感が強い方なのだと思われますが、結論から申し上げますと、親孝行=親と同居して介護することではありません。
たとえば、10年後にご両親の介護が必要になったとき、相談者さんは50歳。夫やお嬢さんは仕事や学業で忙しい時期でしょう。家族の生活を犠牲にしてまで実家に戻る選択は、理不尽だと思います。
では、どうすればいいかと言えば、まずは今のうちから、スムーズに遠距離介護を行える仕組みを作っておくことです。この先、ご両親のどちらかが倒れたら、どの病院に搬送するか? 介護が必要になった際はどのようなサービスが利用できるか? 施設に預ける場合はどこにするのか――など、妹さんとも事前の相談を。
介護は長子だけが担うものではありません。家族全員のグループLINEを作る、ZoomでWeb会議を開けるようにするなど、すぐに相談できる環境を整えておけば、ご両親の不安も和らぐでしょう。
親孝行な「良い娘」でいることと、無理をすることは違います。わが子が幸せに暮らしていることが親にとっても一番の幸せのはず。
高齢者病院に勤務している私の立場から申し上げるなら、つらい思いをして家族が不慣れな介護をするよりも、プロのヘルパーさんに任せたほうが、親もはるかにクオリティの高い介護が受けられます。
ご自分の生活を大切にしながら、いつまでもご両親を愛しいと思えるような介護の仕方を、ぜひ考えてみてくださいね。

