生徒の自主性を重んじる校風

英数国より社会や理科に重点を置くといわれたこともあるが、総合学習を通じて英数国のような基礎学力も伸ばしていくという発想だ。これを可能にしたのは、個性的で魅力的な名物講師を揃えたからこそであって、東大寺学園では成功したが他校でもうまくいくとは限らないだろう。囲碁や全国高等学校クイズ選手権で、優勝経験がある。

中学では「東大寺学」、臨海学習や研修旅行・スキー研修等の体験学習、高校でも夏山登山や修学旅行がある。高校の秋の菁々祭(学園祭)は全学あげての取り組みである。

『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』(著:八幡和郎/ワニブックス)

東大寺の境内にあった時には、登下校の際、大仏殿本尊の毘盧遮那佛(びるしゃなぶつ)に礼拝するのが習慣になっていたが、現在のキャンパスには大仏台座に線刻された釈迦像の写しを安置した転心殿がある。しかし、「礼をして欲しい」という以上のことはなく、宗教教育の時間もない。校則はゆるやかで、生徒の自主性に任せられている。

2026年度入試の合格実績は、東京大学が17名、京都大学が76名で全国2位となった。同年の卒業生は200名で、この両大学と国公立医学部を合わせて全体の半数以上になる。東京大学合格者数の最高は、2009年の44名、京都大学は1995年の99名。

卒業生には、白浜一良(元参議院議員)、高橋伴明(映画監督)、北岡伸一(政治学者)、川島実(医師・僧侶)、中川淳(奈良晒の中川政七商店社長)、中島祥介(医師。iPS細胞の応用)などがいる。

※本稿は、『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで -』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

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