二葉 私、思ったことしか言われへんねん。(笑)

一花 まっすぐなんですよ。本当に嘘つけない人です(笑)。思った気持ちがそのまま言葉に、噺にのるんですよね。

二葉 一花さんの落語は体にスーッと入ってくる。たとえるなら、バターたっぷりのクロワッサンじゃなくて、健康的で毎日食べたくなるような食パン。生活になじんでるような、そんな落語やなぁと。

一花 ありがとうございます。姉さんといると、私がやっていることは間違いじゃないんだな、と思える。この説得力は姉さんの特殊能力で、たぶん持って生まれたものだと思います。

二葉 説得力と言うてくれはったけど、私、噺家になるまで、まったく話ができひん子やってん。人前でしゃべるのが死ぬほど苦手で、学芸会で劇をやるときは、顔が出ない役ばかり。芋虫とか『セロ弾きのゴーシュ』なら、セロ役。子どもの頃はずっとそんな感じ。

その一方で、人前でアホなことができる人にはすごい憧れがあって。学童保育に通っていたとき、タカフミくんっていうめっちゃアホな子がいて、「俺、200回連続でゲップできるで!」って言うてみんなの前でやってみせるわけ。

傍から見ると「そんなことやってどないすんねん」ってことも、彼は周りの目を気にせず、自分のやりたいことをやる、そんな姿がカッコよくて。全然しゃべらへんくせに、実は人前で自分を解放したいという欲求が常にあってん。