「いつも前向きでポジティブなだけでは、私たちは生きていけない。ちゃんと過去を見ながらしか、前に進むことはできません」(信田さん)

戦争の知識が加速度的に失われている

島田 歴史に学ぶというのは、本当に大切だと私も思います。社会的記憶というのはだいたい3代ぐらいまでしか持たないという学説がある。

戦後40年ぐらい経つと加害者がいなくなり、80年もすると被害者もだんだんいなくなってくる。そうなると何があったかを直接語ってくれる存在が、いなくなってしまうんですね。

信田 戦後81年経ち、語る人がいなくなれば自分たちの足元も見えなくなってしまう。とくに加害行為は、早い時期からすでに忘れられていますね。

島田 今回の映画の冒頭に、旧日本兵の方々が自分たちの犯した戦争加害を証言する映像を入れました。私の所属する会社がだいぶ前に撮ったものの再録ですけれど、現地の人を切り殺した話など、衝撃的で生々しい内容です。

それを映画の宣伝のためショート動画でSNSに上げたら、予想もしない大反響がありました。2日で40万回以上再生されて。

信田 すごいですね。そんなに人々の関心があるなんて。