「お金のことで一番困ったのは、亡くなった直後です。毎月の生活費を現金で渡されていた母は、自分名義の口座も持っていませんでした。」(梅宮さん)(撮影:木村直軌)
本日7月31日の『徹子の部屋』に登場する梅宮アンナさん。昨年12月に父の梅宮辰夫さんを見送ったアンナさんは、悲しみに暮れる間もなく、現在も相続手続きに奔走しているといいます。家族を亡くした後、困らないためには、どんなことをしておくとよいのでしょうか。自身の借金の経験からファイナンシャルプランナーの資格を取り、最近では相続の勉強もしているというアナウンサーの生島ヒロシさんと語り合いました(構成=山田真理 撮影=木村直軌)

経験しないとわからないことだらけ

生島 アンナちゃん一家とは長いお付き合い。ですから2019年12月にお父さん(梅宮辰夫さん)の訃報を聞いた時には、本当にびっくりしました。あれから半年経って、少し落ち着いてきましたか?

梅宮 いいえ、まだまだ! お葬式の後から始まった相続関係の「書類地獄」が終わらなくて。自宅のある東京と母のいる神奈川県・真鶴を車で往復しながら、今日はお役所、明日は銀行とあちこち駆け回っています。母は憔悴して泣いてばかりですし、アメリカ出身なので日本語の読み書きがあまり得意ではありません。なので手続きは、すべて私が「梅宮家の長男」のつもりで頑張るしかなくて。父が死んだ悲しさや寂しさはあっても、今はまだ泣く暇もないですね。

生島 わかるなあ。僕が2011年2月に母を病気で亡くし、3月に東日本大震災の津波で妹を失った当時は、ちょうどそんな心境でしたよ。家族が亡くなった後の手続きは本当に大変なんです。それで皆さん、体力的にも精神的にもヘロヘロになっちゃうんだよね。

梅宮 亡くなってすぐに税理士さんから「相続税の申告と納付は死後10ヵ月以内に」と言われた時には、「そんなに長くかかるわけないじゃない」と甘く考えていたんです。ところが戦前に旧満州で生まれて、俳優になってからも住まいを転々とした父の足跡をたどるだけでも大仕事。新型コロナウイルスの影響で外出できない時期もあったので、「もうあと3ヵ月しかない!」と焦っています。

生島 戸籍謄本ひとつとっても、亡くなった人が生まれてから死ぬまで連続して集めなきゃいけませんからね。

梅宮 思いがけず役に立ったのが、5年前にNHKの『ファミリーヒストリー』へ出演したことでした。医師だった祖父が戦後すぐに勤めた病院は水戸だったけれど、住民票は会津若松にあるということが番組の取材でわかっていたので。

生島 愛娘のアンナちゃんが生まれるまで、昭和の大スターとして豪放磊落に遊んでいらした梅宮さんだから、戸籍を取り寄せる時は娘としても多少ドキドキしたんじゃない?

梅宮 隠し子は、どうやらいないみたいですよ。(笑)

生島 まあそれは冗談として。相続の手続きが済んでいないとなると、お父さん名義の銀行口座も凍結されたままですか。

梅宮 はい。実は今日、父のお墓を新しく建てる費用を振り込んできたんです。それも今のところ私の貯金から出すしかなくて。

生島 ファンもお参りしたいだろうし、ダンディな梅宮さんにふさわしいお墓にしたいものね。

梅宮 業者さんも、そう言って高い墓石を勧めてくるんですよ(笑)。私は父らしいシンプルなデザインがいいと主張して、それで何とか通しましたけど。