生島 相続手続きが終わらないと、お父さん名義になっているものを勝手に処分することもできない。
梅宮 誰も乗っていない父の車に今年も自動車税の納税通知書が来ましたし、たぶん何も入っていない銀行の貸し金庫の使用料も、毎月1800円払っています。仕方がないこととはいえ、何か腑に落ちませんよね。
生島 実際に経験してみないと、わからないことだらけでしょう。
梅宮 お金のことで一番困ったのは、亡くなった直後です。普通は金融機関が口座の持ち主の死亡を把握するまで数日の猶予があると思いますが、父の場合は芸能ニュースで報道されてしまったために、口座が凍結されるのも早くて。生前から父はお金の管理を全部自分でやっていて、預金の名義もすべて父。毎月の生活費を現金で渡されていた母は、自分名義の口座も持っていませんでした。
生島 奥さんが専業主婦の家庭だと、そういうケースが意外と多いかもしれない。
梅宮 さらに母がショックを受けたのは、私が出演した通販番組を見て商品を買おうとしたら、「お客様のクレジットカードはご利用できなくなっています」とオペレーターさんに言われてしまったこと。引き落とし口座が凍結されるとカードも使えなくなるんですね。父の死後、母がやっと買い物という前向きな行動をしようとした矢先だったので、本当にかわいそうでした。
生島 今のお話は、すごく貴重な証言だと思います。相続の手続きが終了するまで、家族が生活するためのお金も必要なんだよね。
梅宮 母の場合、父の生命保険が役に立ちました。手続き後、比較的早く保険金がおりたので、すごくほっとしたのを覚えています。