司が心の内を話せる場所

―印象に残っているシーンは?

桜井:司さんと鈴さんは、なかなか気づけない身近な幸せをさとこにそっと優しく届けてくれる存在です。

司さんと近所の公園に出かけるシーンでは、夜明けの景色を撮影するために、朝の2時頃に集合したんですよ。「本当にこんな早くに行かなくちゃいけないのかな」なんて思った部分もありましたが、公園で見た景色が本当に美しくて。この景色を生で見た時に、「司さんはさとこにこの景色を見せたかったんだな」と感じました。その後、司さんとさとこが塩むすびを食べる場面があって、セリフは多くない静かなシーンではありますが、これこそ『しあわせは食べて寝て待て』だと感じました。

早朝にも関わらず、フードコーディネーターの飯島奈美さんが、塩むすびをその場で握ってくださってありがたかったです。

あたたかでささいな幸せを感じるシーンとしては、鈴さんと司さんと食事をする場面が印象に残っています。

『しあわせは食べて寝て待て』場面写真
(『しあわせは食べて寝て待て』/(c)NHK)

宮沢:僕も桜井さんと同じ場面が印象に残っているんですけれど、違う場面をあげるとしたら、団地の階段の踊り場で司とさとこがちょっと話し合うシーンですね。あそこは、司もさとこも自分の心の内を話せる場所になっている。何か2人だけの世界があると思っているんです。この特別編でも踊り場のシーンがあってすごく嬉しかった。司は何でもできて、心地よい人間に思われていますが、いろいろな苦しみや迷いを秘めている部分もあって。さとこにしか見せない司がある。悩んでいるさとこと共に時間を過ごせたことが印象に残っています。

加賀:私はやっぱり、司とさとこと3人での食事のシーンですね。この場面を見て、「うわあ、これだよ、『しあわせは食べて寝て待て』は!と思いました。3人でゴチャゴチャ言いながら一緒にご飯を食べている場面が好きです。