「OSK誕生の地」の閉館

<OSKは1922年、松竹合名社(現・松竹株式会社)が松竹楽劇部として創設。翌年オープンした大阪・道頓堀の大阪松竹座で第1回公演を上演した。松竹が運営する大阪松竹座は上方芸能の拠点として親しまれ、OSKも長年にわたり公演を重ねてきたが、老朽化のため2026年5月に103年の歴史に幕を下ろした>

大阪松竹座はOSKのふるさとであり、私の初舞台の場でもあります。だから閉館について何も思わないわけはなく、非力やなあと自分の力不足を嘆きました。

OSKの歴史も激動というか、親会社から支援を打ち切られたり、何度かなくなりかけたりしては這いあがって来た劇団です。今さら過去をどうこうすることはできませんが、「OSKは大阪松竹座で生まれました」とこれからも言い続けていけるように、一層努力していかなくてはいけない。104年の歴史を築いてくださった先輩方や支えてくださった皆さまのために、いい舞台を作り続けることで恩返しをしたいんです。

<そんなOSKがこの夏、「お家芸」とも言える真田幸村をテーマにした公演に挑む。大坂夏の陣で徳川家康をあと一歩のところまで追いつめながら、あえて討たなかったのはなぜか――。そんな幸村の謎に迫った今村翔吾さんの歴史小説『幸村を討て』(中央公論新社刊)をミュージカル化した。翼さんは一部で徳川家康、二部で真田幸村の一人二役を演じる>

自分が真田幸村を演じると決まった時はプレッシャーも感じましたが、それ以上にうれしかったですね。幸村は豊臣方の武将として大坂の陣で徳川軍を追いこんだ大阪のヒーローですし、歴史ミステリーを歌劇として上演することがすごい挑戦だなって。この舞台化はOSKにしかできへんなと思うんです。

実はOSKが幸村を題材にした舞台を行うのは、今回の『幸村を討て』で6作目。約20年前に大阪市から「観光誘客のきっかけにできる作品を」という依頼を受け、大坂の陣を題材にした舞台を上演したのが始まりで、今ではOSKの「お家芸」になっているんです。