それにしても、爆発的なヒットとは、まさにあのことを言うんでしょうね。僕らはテレビ番組に数えきれないほど出るようになり、道を歩く時も、女子学生たちが来ると顔がわからないようにちょっと下を向いたり。一気に日常が変わりましたね。
80年には、ネパール王立競技場でコンサートをしました。当時のネパールは、コンサートという概念すらないし、音楽といえばシタールやタブラなどの民族楽器を使った室内楽のみ。彼らはロックやポップスも知りません。
競技場では、ステージのすぐ後ろ側に1万人も集まってしまい、「俺たち、本番はどっち向いて演奏すればいいんだろうね」などと話したくらい不思議な世界にいる感じでした。
彼らにしてみれば見たことも聞いたこともない音楽だったはずですが、本番が始まって10分もたたないうちに、6万人の観衆がみんなすごく盛り上がって。そんななか、彼らの心に沁みたのは「ガンダーラ」だったみたいです。
もともと、エキゾチックな曲を作りたくて歌詞のリクエストを出したのですから。向こうで知り合った民俗音楽の演奏家が「僕らの国の音楽だと思った」と言ってくれた。すごく嬉しかったですね。
ただ、とにかく忙しすぎた。メンバーの一人スティーヴ・フォックスはプロテスタントの牧師になりたいと言ってメンバーから抜けるし、みんな限界が来て、破裂するみたいにしていったん活動ストップ。それぞれ自分の道を進むことに。