<今月のひとこと>

 

ある人を降ろすことで見せしめにして、みんなに緊張と恐怖を植え付けた。カンパニーをまとめるには劇団のボスとして、そのくらいの権力を示さないといけないんだなと衝撃を受けたね。

一転、そのあと『ゆかいなどろぼうたち』での演出は楽しかった。当初は別の演出家が決めたことをやっていたんだけど、浅利さんに代わってからは自由に泳がせてくれたんだよね。

「役というのは、台本(ホン)の中にはないんだ。お前の中にあるんだよ」「台本に書かれているまま演じようとするな」と教えてくれた。『エクウス』で子ども向けの芝居とは違う、中身の濃い話をやった時も、まさしく濃密な演出を、身をもってしてくれて。

浅利さんの演出で、日下武史さん、藤野節子さんという錚々たる劇団の幹部の方たちと芝居を作れたことは、今でも大きな財産になっています。

西村晃さんの付き人時代にちょい役で出演した『雁の寺』を演出していた木村光一さんに、四季卒業後、『越前竹人形』で再会できたことも印象に残っている。とにかく細かく演出をつけてくれるんだよね。職人のように。