祖母が亡くなった際の葬儀の手配は私が担当することになっていて…
100万部突破の『九十歳。何がめでたい』(2016年、小学館)をはじめ、ユーモアエッセイで長く人気を博した作家の佐藤愛子さん。家族からみた佐藤愛子さんの姿とは。孫の杉山桃子さんがコミックとエッセイで描く『婦人公論』の連載「うちのばあさん102歳」。第19回目は「最後の我儘」。
※去る4月29日、佐藤愛子さんが102歳で逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

最後の我儘

生前祖母は、葬式に関してあれこれと注文をつけていた。「斎場は絶対ダメ、葬式は寺で」「死んだ後も世間には極力言わないで」「戒名はいらん」などなど。

しかし寺での葬式は莫大な費用がかかると菩提寺に言われ、渋々承諾したのが「自宅葬」であった。

 

 

それを受けて葬儀社探しが始まった。実は我々は祖母が亡くなる数年前から、自宅葬をやってくれる葬儀社を探していた。「いよいよその時が……」と思う度に祖母は復活を遂げてきたが、ついに葬儀社の世話になる時がやってきたのである。