コンサート『美輪明宏とその仲間たち Vol.2』に渡辺さんがゲスト出演し、トークと歌を披露。2005年8月、PARCO劇場にて(撮影:御堂義乘)

一人の「人間」として闘う精神を学んで

その後も、ここぞというときに美輪さんはお電話でアドバイスをくださいました。

私は渡辺えり子という名で活動していましたが、2007年のある日、朝の8時頃、美輪さんから突然電話がかかってきて、「名前を変えたほうがいい」と言われました。若い頃は苦労してもいいけれど、「えり子」と1回呼ばれると100回運が逃げるから改名しなさい、と。

当時、悪いことが重なり病気になるなど満身創痍。それが見えていたんでしょうね。まわりからは反対されましたが、私はすぐに、「渡辺えり子」から「渡辺えり」に変えました。

10年ほど前に、「もし本当に困ったら、いつでも助けるから言ってちょうだい」とお電話いただいたことも覚えています。たくさんの舞台を作っていらした美輪さんは、演劇を続ける大変さをよくご存じでした。

舞台のこと以外にも、貴重なお話を本当にたくさんうかがいました。そのひとつが、自分は男も女も超えて人間である、ということ。

セクシュアリティのことで差別され、バカにされたり攻撃されたりした経験も話してくださいましたが、そのときの美輪さんの様子はむき出しの魂という感じで、男も女も関係なく、まさに「人間」として闘ってこられたのだと感じました。