唯一無二の存在
そして何より、あのシンカー――スクリューと言えばいいのかな?――あんな変化をするボールは、後にも先にも見たことがなかった。あの衝撃は凄まじかった。
ルーキーイヤーにいきなり12勝を挙げて新人王に輝いた。そして、入団からの10年間で9回も2桁勝利を記録している。その安定感は本当にすごいことだ。一度も手術をせず、ローテーションに穴を開けずに投げ続けてきたのも立派だ。
今の若い投手たちが「今年は2桁を目指します」なんて言っているのを聞くと、「まだやったことがないから、そんなことが言えるんだ」と思ってしまう。マサのように、当たり前に規定投球回に達し、当たり前に勝ち星を挙げる。その継続性こそが驚異的なのだ。
彼はすでに王貞治さんやイチローと並ぶ存在だ。誰も成し遂げたことがない領域を今、現在進行形で歩んでいるわけだから。
過去に例がない以上、誰も彼を正当に評価することなんてできない。もちろん、僕だってマサのすごさを正確に理解できているわけではない。彼はすでに唯一無二の存在なのである。長いプロ野球の歴史において、誰もやったことのないことを続けているのである。
僕たちは伝説の選手のプレーを現在進行形で見ることができる。そんな幸せな経験をしているのだ。
