辞めどきなんて、わからなくていい

彼自身、「辞めるきっかけがわからない」と語っているという。

まさにそれは、辞め方を知らない人の言葉だと思う。辞め方がわからないのであれば、とことん続ければいい。例えば、もし彼が年間0勝で終わって「辞める」と言い出したなら、直接「じゃあ辞めろ」と言ってやりたい。

すると彼は、「もう一度やらせてください」と言うはずだ。そうなったら、僕は「どうぞ続けなさい」と言うつもりだ。

本人の情熱がある限り、好きなだけやればいい。彼の「心のスタミナ」は、まだ10代のままだから。

そして、いつかはユニフォームを脱ぐときがやってくるだろう。

周囲からは、「いずれは指導者に」という声が上がるはずだ。彼は本当に優しいから、選手に寄り添えるいい指導者になるはずだ。これだけいろいろな経験をしてきたのだから、それを伝えていく立場にいつかなるはず。でも、それはまだ先の話。今はただ、この「生ける伝説」がどこまで突き進むのかを、特等席で見届けたいと思っている。

※本稿は、石川雅規投手の現役引退発表前に発売された書籍『愛と哀しみのスワローズ』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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