バッターボックスで力強いひと振り(写真提供◎大神さん 以下同)
夏の甲子園予選も大詰め。全国で代表校が決まりつつある。2021年4月、ライザップでダイエットを成功させた元日本テレビアナウンサーでタレントの大神いずみさんは、読売巨人軍のコーチ、元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。ターンテーブルで回るため、苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をしている。夢と希望にあふれてスタートした高校生活はコロナや怪我で思わぬブレーキがかかった。球児の母として伴走する大神さんが、この2年を振り返る。

前回「最近、打席に立つ長男の顔が夫・元木大介と一緒に…。背番号をもらえずに引退するが、甲子園を目指し、最後まで仲間のサポートに徹する」はこちら

野球をやってきた息子たちの記憶

「暑いですね」は、ほかに素敵な言葉で言い換えられないものだろうか…。

痛みに近い暑さが続く、この夏。
毎日のように全国の高校野球、地方大会の様子がニュースで見られるのだが、長男・翔大と同学年、後輩の球児たち。これまでどこかで対戦した、あるいは一緒のチームだった選手の名前が記事を賑わせている。

目覚ましい快進撃を遂げる学校もあれば、一つ一つ「終わり」を意味する敗戦もある。試合の詳細には載らない活躍がたくさんあったはず。
各地の名門で野球を頑張ってきた仲間たち、その一人一人の顔を思い浮かべる夏の戦い。いつもの心踊る甲子園の季節と違って、一つ一つの記事にチクチクと心の奥を刺されるような思いで記事に見入っている。

だが翔大にとっては明らかに私とは違って見えているようだ。
正直なところ母の私の記憶にはほとんどない試合や選手の名前も、野球をやってきた息子たちの記憶の一コマは、鮮度と質が圧倒的に違うのである。

「中1の時のあの大会の2回戦、どこのチームとの対戦の7回裏、ツーアウト1、3塁の場面で相手は4番、カウントツーツーでカーブが抜けたあとの一球、ストレートを左中間に打ち返したあいつが、××高校でホームラン打っとる」
名前は知らないのに顔を覚えていたりする。

すごいな、あんた。

話の途中からもう、その野球の状況がよくわからない母、いずみ。