いつでも達者でいなければならないとは、何という愉快なこと

朝は5時か6時に起きる。年寄りは早く眼がさめる、と言うが、早く眼がさめるとも何とも思わないで、自然に任せて寝ていると、充分に眠ってから、眼が醒めるものである。

朝食が済むと、また、ちょっと眠る。いつでも食後はちょっと眠る。一体、私は一日の中(うち)に、どれくらいの時間、眠るのかな。正確には分からないが、やっぱり8時間くらい眠るのかな。

『宇野千代のことば 書いて、恋して、おしゃれして』(著:宇野千代/平凡社)

何をするにも、ゆっくりと急がずにする。焦ると言うことがない。こうしている間に、いつ迎えが来ても、気のつかないような瞬間があって、眠って了(しま)うように死ぬのだとすると、私は病気になる暇もないのかも知れない。

病気になる暇もないとすると、私はいつでも、達者でいなければならない。いつでも達者でいなければならないとは、何と言う愉快なことではないか。