年齢さえも、自慢の種になる

ある時、私は、毎日1万歩、歩くことを始めた。初めは1000歩でへたばった。また、3000歩でへたばった。いまは1万歩続けて、速歩で歩いてもへたばらない。このことを誰かに話したい。そういう気持ちで歩いているように思われるのである。

私はまた、両手を拡げ、片足をあげて立つことを始めた。体のバランスがとれて、転ばなくなるためである。この姿勢では、初めは1分も続かなかった。3分、7分、10分、そしていつか平気で17分も立てるようになった。

私はまた、肉食全廃、野菜と果物の一点張りという食事法をとった時期があった。そして、夏は終日裸、冬でも浴衣か、その上にちゃんちゃんこという薄着で、一度も風邪をひかなくなった。70歳の頃である。

このピチピチの健康体の持ち主が、満70歳だと言うことも、その年齢さえも、自慢の種になる。

※本稿は、『宇野千代のことば 書いて、恋して、おしゃれして』(平凡社)の一部を再編集したものです。

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『宇野千代のことば 書いて、恋して、おしゃれして』(著:宇野千代/平凡社)

2026年NHK連続テレビ小説『ブラッサム』のモデル・宇野千代。

仕事や恋愛に情熱的に生きた98年の生涯から紡がれた名言集。