空き家の維持費だけで1000万円以上!
和田 ご両親はたまには高松のご実家に帰っていたんですね?
松本 そうですね。最初のうちは1年の約7割を東京で過ごし、残りの約3割を高松で過ごしていました。でも東京と高松は遠いですから、年老いてくるとやっぱり行き来するのも大変なんです。それで帰る頻度がどんどん減っていきました。
和田 そのときに、実家をどうするかという話は出なかったのですか?
松本 なかったですね。両親も最初のうちは、いずれ地元に帰るつもりだったんだと思います。私自身、実家はずっと残しておくものだと思っていましたから、家を処分するとか、家財を片付けるとか、そうしたことは一切、考えていませんでした。
それに両親は私のために家を残しておきたかったというのもあるんです。芸能界は浮き沈みが激しいですし、実際、長く売れない時代の私を見ていますから、仕事がなくなっても、実家さえ残しておけば何とかなるだろう、と考えていたようです。だから実家の家財はそのままにしていました。いつでも生活ができるように、電気や水道も通したままでした。火事が心配なのでガスだけは止めていましたけど。
和田 空き家は維持するだけでも多額の費用がかかります。電気代や水道代だけでもかなりの額になったのでは?
松本 1年で水道代が約1万2000円、電気代が約8万円かかりました。あと毎年、固定資産税が約8万円、保険(火災・地震)が約10万円、庭の草木の手入れに約10万円かかっています。ほかにもこまごまとした出費があり、それらを合わせると、実家じまいを終えるまでの25年間に空き家を維持するだけで1000万円以上費やしています。